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細密、写実的な表現で近年人気の高い明治時代を中心とした日本の工芸作品。この「明治工藝」の一大コレクションが台湾にあることはあまり知られていません。しかもこれらの作品は、すべてひとりのコレクターが収集したもの。この「宋培安コレクション」から100件以上もの名品を、日本で初めてまとめて紹介します。全長3メートルもある世界最大の龍の「自在置物」、「ビロード友禅」をはじめ、漆工、金工、彫刻など多彩な作品ひとつひとつが魅力を放つ、すごい!びっくり!かわいい!驚きがいっぱいの展覧会です。
鉄や銀で、龍、蛇、昆虫などを写実的に作り、しかもその生物が本来的に動かせる機能まで再現した置物。
例えば蛇は、くねくねと移動するような姿からとぐろを巻いた状態まで、自由自在に形を変えることができます。
① キーワードは「京都」 京都会場では、京都の作家・職人によってつくられた作品、さらには京都をテーマにした作品に、特に注目していきます。
② 展示替えならぬ、「ポーズ替え」があります。
会期中、≪自在蛇≫宗義をはじめ、一部の作品で「ポーズ替え」を行います。自由自在に形を変えることができる「自在置物」の可能性をぜひ、お楽しみください。
*一部の自在置物は、ポーズ替えを行います。
*ポーズ替えの日程については、こちらをご確認ください。(PDF)
③ 写真撮影、OKです!
本展では、当館初の試みとして、展示室内の作品の写真撮影が可能です! (一部、撮影不可のものもあります)
*本展をより楽しんでご覧いただくために…(PDF)
④ 小学生、中学生のみなさん!! こちらも当館、初の試みです!今回は中学生も無料でご覧いただけます。まるで本物のような作品を、じっくり観察しに、ぜひご家族でお出かけください。
平成 28年 11月12日(土)〜 12月25日(日) [ 展示替えあり ]
午前 10 時 〜 午後 6 時 (入館は午後5時30分まで)
休館日 毎週月曜日
江戸時代までの日本では、理想の姿を具現化する傾向がありましたが、明治時代になると工芸の世界では、動物や植物の姿を写実的にとらえ、それを再現するようになります。その代表的な例が自在置物です。これは、「鉄や銅などで動物や虫を写実的に作り、しかもそれらが本来的に持っている胴や手足などを動かせる機能までをも再現した置物」で、江戸時代に甲冑を作る職人によって最初は作られました。明治時代には、京都や大阪の職人などが、輸出を主な目的として制作するようになります。
また、写生画のように植物を表現する工芸作品もいろいろ出てきました。様々な分野で写実の追求が行われ、「まるで本物のように」写し取る技巧へと進んでいきます。
江戸時代、工芸のそれぞれの分野で新たな技法が開発されました。明治時代にはそうした技法から生まれた表現に、より高い精度が加わり、細密な作品の誕生へとつながっていきます。
さらに明治時代の工芸品は、欧米への輸出が目標であり、内外の博覧会への出品によって、その優秀な技術を示すことが重要視され、より芸術性が求められていきました。そうして、華麗・繊細な感覚の作品が多く生み出され、人の手によって表現しうる限りの技巧を凝らした世界が展開されていったのです。
<事前申込制・有料>
アートサロンとは―
美術館のゆったりとした雰囲気の中で、文化芸術にふれ創造性を高めていただける講座を少人数制で開催いたします。
<聴講無料 ただし、別途入館料が必要です>
定価:2,200円(税込)
発行:2016年9月
仕様:260頁 A5変型判
「驚きの明治工藝」展の日本の工芸作品に出品される名品全131件を美しいカラー写真で完全収録。本書には、所蔵者の宋培安氏、日本での展覧会を監修した東京藝術大学美術館・原田一敏教授、京都・細見美術館の細見良行館長による巻頭鼎談を収録。
※表記はすべて税込価格です