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今に伝わる染織遺品は、その時々最高の素材や技術を駆使して生み出され、権威や富を象徴するものでもあります。本来の役目を終えた小さな断片=裂〈きれ〉は「古裂〈こぎれ〉」とよばれ、茶の湯の世界をはじめ、美術工芸品を守り、引き立てるだけでなく、裂そのものが芸術品として永く大切に愛で伝えられてきました。
本展は、そのコレクションより中国唐代に遡る貴重な遺品や、民間に流出した最大級の正倉院裂として近年、話題を呼んだ「唐花文錦」をはじめ、中世の綾・錦から近世の辻が花や慶長裂、友禅など東洋染織史を概観できる染織芸術品の数々を紹介するものです。
ぎをん 齋藤
京呉服の老舗「ぎをん 齋藤」は江戸時代から京都・祇園に店を構え、本年で創業176年を迎えます。
7代目・現当主の齋藤貞一郎氏は、染織コレクターとしても知られ、蒐集品に学んで精力的に古典の技法や意匠の復刻に取り組まれています。
※ご訪問に際しては事前のご予約をお願いいたします。
齋藤コレクション初公開となる本展では、日本と中国の古裂の二つに大別される本コレクションを五つの章に分けて紹介します。
さらに、「ぎをん 齋藤」の今を起点とし、古い時代へとさかのぼる「タイムトラベル」的な展示構成としました。
各国、各時代の古裂と対峙しに、染織史を巡る旅に出かけてみませんか?
江戸初期に作られた慶長小袖は、黒・赤・白の三色によって地を染め分け、その中にさらに刺繍や絞り染で緻密な文様が配置されるという独自の様式をもっています。
当時の流行の最先端、デザインセンスにご注目ください。
黄金の時代と言われ、自由闊達な気分に溢れた、桃山時代。また、「辻が花」はこの時代の特筆すべき絞り染めです。
こまやかで力強いものから、細やかで複雑な表現まで、今回の展示では桃山最盛期を迎えた辻が花の技を愉しむことが出来ます。
近年、齋藤コレクションに加わった民間に流出した最大級の正倉院裂として知られる「唐花文錦」は、染織を探求し続けた齋藤氏の想いが叶えられた、一つの頂点といえます。
インドで発祥し、十六世紀後半、南蛮貿易などで日本にもたらされた「さらさ」。江戸時代、この文様染めの木綿布は、異国情緒溢れる舶載裂として人々を魅力しました。
インド更紗は衣装や茶道具をはじめ、祇園祭の山鉾の懸装品にも珍重されています。
齋藤コレクションには契丹族(きったんぞく)、女真族(じょしんぞく)といった狩猟民族の錦や金襴が含まれます。
<聴講無料・事前申込不要> ※ただし、別途入館料が必要
<有料・事前申込制>
アートサロンとは・・
美術館のゆったりとした雰囲気の中で、文化・芸術にふれ創造性を高めていただける講座を少人数制で開催いたします。
テーブル席でお抹茶とお菓子を召し上がりながら、学芸員のおはなしをお愉しみください。
<聴講無料・事前申込制>満席になりました
価格:30,000円 (税込)
本書の内容[英文解説付き]
・8世紀~19世紀間の古裂を近世を中心に84点をオールカラーで紹介
・1点ごとに詳細な作品解説
付属DVDの内容
・すべての古裂の詳細画像をJPEGにて収録
京都国立近代美術館の観覧券をご提示頂きますと、団体料金にてご入館頂けます。
また、細見美術館の入館シールまたは友の会メンバーズカードを京都国立近代美術館にてご提示頂きますと、
京都国立近代美術館で開催中の展覧会を割引料金にてご観覧頂けます。
京都市京セラ美術館の観覧券をご提示頂きますと、団体料金にてご入館頂けます。
また、細見美術館の入館シールまたは友の会メンバーズカードを京都市京セラ美術館にてご提示頂きますと、
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