趣旨文
琳派の創始者、俵屋宗達(生没年不詳、江戸前期に活躍)は扇絵などを制作する「絵屋」を営んでいました。「扇絵」は言わば宗達工房の主力商品であり、その独創的な意匠は後に屛風などの大画面に明快な画風を展開する原点ともなりました。〈扇絵〉や〈団扇絵〉は、尾形光琳、中村芳中、酒井抱一、鈴木其一、神坂雪佳ら宗達以降の絵師たちも積極的に手掛け、デザイン性の高い身近な調度として親しまれました。一方、琳派では朝顔など夏秋の草花図も多く描かれ、爽やかな画面は凌ぎ難い夏の暮らしに一風の涼味をもたらしました。
琳派展の第23弾となる本展では、細見コレクションを中心に、扇絵・団扇絵や夏の草花図や秋草図を選び、琳派による涼の美を展覧します。
展覧会の見どころ
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琳派の扇絵・団扇絵
「扇は都 俵屋」と仮名草子『竹斎』(元和 7 年/1621 年頃成立)に記されたように、「俵屋」の扇は都で高い評判を得ていました。宗達を先鞭とする琳派の〈扇絵〉や〈団扇絵〉制作は、以降の琳派の絵師たちにも受け継がれます。特殊な形を活かした明快でスタイリッシュな作風が人々に愛好されました。
宗達初期の扇絵のひとつ。扇の弧と草花の細い茎の描く曲線が呼応して、優美な情趣を湛えている(茶色で描かれる扇の骨は、後に屛風に貼った時に補われたもの)。
光琳は円形図案、特に団扇のデザインを多く手掛けている。本図も金と銀、直線と曲線など、小さな画面ながら機知に富んだ構成をとる。
画帖に貼られた扇面画 12 枚のうちの1図。得意のたらし込みで絵具を滲ませ、太い輪郭線を用いてゆったりとおおらかに立葵を描く。
6曲1双屛風に35枚の扇面画を貼ったもの。四季の草花のほか、亀や兎、山水などさまざまな画題、技法を用いて瀟洒な画面に仕上げている。
銀地に桔梗を描き、扇の形に呼応するように薄が曲線を成す。片面には萩と薄に光琳風の流水が加えられ、涼やかな画面となっている。
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涼を呼ぶ夏秋の草花図
やまと絵では日本の四季や月次の景物を多く描いていますが、琳派には夏に因む画題が見出されます。従来のやまと絵であまり取り上げることのなかった植物である立葵、朝顔、向日葵などが 江戸後期の琳派で積極的に描かれた背景には、園芸ブームの高まりも指摘されています。初秋の風趣を描く秋草図も、季節を先取りし、夏座敷の涼やかな演出に用いられたことでしょう。
初秋の庭先、涼やかな風の中に佇む秋草を描く。紅白の萩がこぼれるように乱れ咲く中、芙蓉や黄蜀葵(とろろあおい)、山帰来(さんきらい)なども色を添えている。
中秋の名月と秋草を簾越しに見せる情緒に満ちた作品。薄、桔梗、藤袴といった秋草が、簾に隠された美人のよう。
縦長の画面に余白を広くとり、蔓を垂らす朝顔を描く。墨の濃淡や滲みを活かし、葉や蔓の軽やかで瑞々しい風情を捉える。
まっすぐに伸びた向日葵としなやかな水引草の組み合わせ。向日葵は花の中心にある管状花とその蕾を絵具の盛り上げで立体的に描き、特徴をよく捉えている。
相互優待 展覧会情報
「響きあうジャパニーズアート」との相互優待を実施している展覧会です。
各美術館チケットカウンターで観覧券(半券可)もしくは入館シールをご提示いただくと、当日券料金から100円引となります。
《 対象展覧会 》
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・展覧会名:「アンディ・ウォーホル・キョウト」
|会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
|会期:2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)
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・展覧会名:「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」
|会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊2階
|会期:2022年10月7日(金)~2022年12月11日(日)
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・展覧会名:「ボテロ展 ふくよかな魔法」
|会場:京都市京セラ美術館 本館北回廊1階
|会期:2022年10月8日(土)~2022年12月11日(日)
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・展覧会名:「ルードヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡」
|会場:京都近代美術館
|会期:2022年10月14日(金)~2023年1月22日(日)
イベント
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概要
補足
開催日時:2019年6月25日(火)~7月7日(日)
(ただし、7月6日(土)は除く)午前11時~午後5時
会場:茶室 古香庵(細見美術館3階)
※休館日のほか作品保護・貸切等によりご覧いただけない場合があります。
最新情報はtwitterにてご確認ください。
SNS投稿 入館料ご優待キャンペーン
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入館料ご優待
「#美しき色いにしへの裂」をつけてTwitterもしくはInstagramに投稿いただくと、優待料金でご入館いただけます!
( 一般 1,400円→1,300円/学生 1,100円→1,000円 )
*受付にて投稿画面をご提示ください。
*入館後の返金はできません。
*他の優待との併用はできません。
巡回情報
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・富山水墨美術館 (富山)
|2021年6月22日(火)~8月1日(日) 《終了》
サテライトイベント
展覧会開催にあわせて、よりタラブックスの世界を愉しむための特別イベントが開催されます。
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トークイベント
◼︎「タラブックスと本をつくること」
開催日時:2019年6月28日(金)午後7時~午後9時
会場:梅田 蔦屋書店 4th Lounge
登壇者:
ギータ・ウォルフさん(タラブックス代表)
齋藤名穂さん(建築家 デザイナー)
KAILAS(写真家 松岡宏大さん、編集者 野瀬奈津子さん)
参加費:1,500円(税込)
お問合せ:梅田 蔦屋書店 4th Lounge
※事前のお申込みの必要はございません。当日会場へ少し早目にお越しください。
※お席の都合上、立ち見になる場合。またはご入場頂けない可能性もございます。
悪しからずご了承くださいませ。
細見美術館友の会「古今」会員限定 特別予約席をご用意しました
定員:20名 (申込先着順・定員になり次第受付を終了します。)
申込期間:8月17日(金)より
申込方法:TEL 075-752-5555 細見美術館受付窓口
※氏名・ご連絡先・友の会会員番号をお知らせください。
※参加当日は会員証をご提示ください。
注意事項
・FAXでお申込みをいただいた方には、追って申込完了のご案内をお送りします。
・1週間を過ぎてもご案内が届かない場合は、電話にてお問合せください。
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京都国立近代美術館・細見美術館 相互優待のご案内
京都国立近代美術館の観覧券をご提示頂けますと、優待料金にてご入館頂けます。
また、細見美術館の入館シールまたは友の会メンバーズカードを京都国立近代美術館にてご提示頂ければ、京都国立近代美術館で開催中の展覧会を割引料金にてご観覧頂けます。
※ 事前にホームページ等で最新情報をご確認の上お出かけください。
※ 展覧会によっては、優待が適用されない場合がございます。詳しくは各窓口までお問合せ下さい。
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京都市京セラ美術館・細見美術館
相互優待のご案内
京都市京セラ美術館の観覧券をご提示頂けますと、優待料金にてご入館頂けます。
また、細見美術館の入館シールまたは友の会メンバーズカードを京都市京セラ美術館にてご提示頂ければ、京都市京セラ美術館で開催中の展覧会を割引料金にてご観覧頂けます。
※ 事前にホームページ等で最新情報をご確認の上お出かけください。
※ コレクションルームのみ対象となります。
※ 展覧会によっては、優待が適用されない場合がございます。詳しくは各窓口までお問合せ下さい。